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2015/01/13

SWOT分析は、経営や事業の戦略を立案するための有効なフレームワークのひとつ

Swot2

経営や事業の戦略を立案する際に、しばしばSWOT分析を活用しています。

そこで今回、以下の視点で改めて整理します。

  • ・SWOT分析の内容と分析方法を整理し、陥りやすい迷い(注意事項)への対応策を過去の経験から提案し、
  • ・NECのパソコン(PC)事業を例に、1980年代と2000年代についてSWOT分析の変化を簡単に整理し、
  • ・さらに、「擦り合わせ型」製品と「モジュール型」製品に対するSWOT分析のあり方について考えていきます。

SWOT分析とは、内部環境(「強み:Strengths」と「弱み:Weaknesses」)と外部環境(「機会:Opportunities」と「脅威:Threats」)を分析するフレームワークです。

そして、SWOT分析で整理した内容に基づいてクロス分析を行うことで、戦略オプションを絞り込むことができます。

しかしSWOT分析は、

  • ・現状分析で今後の戦略立案のヒントにはならないとか、
  • ・合理的に評価することが難しいなど、

有効なフレームワークではないという意見もあります。

同感する部分もありますが、個人的には以下のポイントを重要視して活用しています。

  • ・様々な部門や立場の方々に参加して頂き、現状認識の整理や経営課題抽出のための議論ネタとして活用し、
  • ・参加メンバーの意識を整合、共有することにどどめ、
  • ・あくまでも「課題抽出から重要成功要因の選定、戦略立案」を全員で議論する。

Swot1

 

SWOT分析の意義

経営及び事業の戦略を立案していくためには、事業の環境変化に対応して経営資源を最適活用することが必須となります。

そこで、外部環境と内部環境の現状を分析するSWOT分析が、有効なフレームワークとなります。

外部環境分析では、

  • ・環境変化が「事業機会」と「事業脅威」を生みだす。
    • 経済環境の変化/固有技術の進歩/ITの急速な発展
    • サプライチェーン(顧客とサプライヤとの関係)の急激な変化
  • ・新しい顧客価値提供の可能性を追及する。

内部環境分析では、

  • ・自社の強み(コアコンピタンス)を明確にする。
  • ・環境変化への対応可能性を明確にする。

 

SWOT分析の概要

Swot2_2

SWOT分析は、内部環境(「強み:Strengths」と「弱み:Weaknesses」)と外部環境(「機会:Opportunities」と「脅威:Threats」)のマトリクスで整理します。

以下に、外部環境と内部環境に分けて、分析の目的と視点について整理していきます。

外部環境の分析(「機会:Opportunities」と「脅威:Threats」)

分析の目的は、取り巻く環境(変化)が、自社にとっての機会・脅威かを把握することにあります。

分析に当たっては、主に以下の視点で確認していきます。

  • ・マクロ環境:経済的、政治的、社会的、技術的要因など
  • ・市場環境:市場規模の変化、成長・収益性、需要、生産・販売環境など

その際、特に以下の分析も活用すると、内容がより具体化します。

  • ・機会と脅威の発見
    →業界の魅力度【5つの競争要因】(ポーターの5つの競争要因)
  • ・業界特性の分析
    →業界内での位置付け(業界ポジショニング分析)

Opportunities_threats

内部環境の分析(「強み:Strengths」と「弱み:Weaknesses」)

分析の目的は、(競合と比較した)自社の強み・弱みを把握することにあります。

分析に当たっては、主に以下の視点で確認していきます。

  • ・財務面:収益性、安全性、成長性、損益分岐点、キャッシュフローなど
  • ・事業面:製品力、販売力、生産力など
  • ・その他:マネジメント、人事・人材面など

その際、特に以下の分析も活用すると、内容がより具体化します。

  • ・戦略の有効性や改善の方向
    → バリューチェーン(機能分解)

Strengths_weaknesses

 

SWOT分析で陥りやすい迷い(注意事項)

多くの企業でSWOT分析をご支援している中で、整理の視点や疑問をお聞きします。

これが、「SWOT分析は有効なフレームワークでない」という意見の要因になるのかもしれませんが、議論を進めていくうえで以下の助言をしています。

悩み1.経営レベル? 管理レベル? 業務レベル?
  • ・対策:どの視点(だれの立場)で分析するのか、基準を明確にする。
  • ・解説:今回SWOT分析をするのは、経営なのか個別の事業なのかによって視点が変わってきますので、まずは視点のレベルを全員で合わせることが必要です。
    また、議論への参加メンバーも、その立場の方もしくは想いを持っている方にお願いすることも必要です。
悩み2.事実(根拠のある予測)なのか? 想像なのか?
  • ・対策:事実や現象から直接又は根拠のある予測と、根拠のない想像や仮説とは切り分ける。
  • ・解説:議論をしていくうちに、あげた事象が個人の想像や憶測などもでてくる場合もありますので、「事実なのか」「根拠のある事象なのか」を確認することが必要です。
悩み3.これは機会なのか? 脅威なのか?
  • ・対策:一つの事象がどちらにもなりうる場合は、自社の「強み・弱み」の両方からの考察もあり。
  • ・解説:例えば製造部門と営業部門など、評価する立場によって捉え方が異なる場合もありますが、双方が議論して決めることも重要ですし、決められない場合は両方に記述しても構いません。
悩み4.他と比較して、強み? 弱み?
  • ・対策:厳密に他社と定量比較できれば良いが、できない場合は「得意、不得意」「力を入れている、入れていない」などの評価もあり。
  • ・解説:一般に公開されている情報や入手可能な情報には限りがあり、詳細を確認できない場合もありますので、その際には相対的な評価でも構いません。

 

参考:外部及び内部の環境分析の視点例

外部及び内部の環境を分析する際の視点としては、以下の指標が考えられますが、全てを確認する必要はありません。

確認できる指標、または自社にとって重要と考える指標だけでも構わないと考えます。

外部環境分析の視点例

マクロ環境
経済的要因、政治的要因、社会的要因、技術的要因など
→ 要因の動向、自社への影響、対応方針

市場環境
市場規模の変化、市場の成長性・収益性、自社製品の販売動向など

  • ・製品需給動向、製品ミックスの変化、新製品・代替品の可能性、顧客ニーズの変化
  • ・生産環境:原材料の需給動向、生産技術の変化、設備投資動向
  • ・販売環境:販売チャネルの変化、販促方法の変化、物流の動向

競合環境
市場シェア、収益性など

  • ・競合他社動向:経営戦略・新製品開発・生産技術・販売・広告などの動向
内部環境分析の視点例

財務分析
収益性、安全性、成長性、損益分岐点、キャッシュフローなど

事業分析
製品分析:製品別利益貢献度・成長性、製品別特性、競合優位性など

  • ・営業力分析:販売政策、組織体制、営業システム、販売チャネル
  • ・生産力分析:生産技術、生産システム、設備投資

マネジメント
組織面:組織構造、職務分掌・権限、予算制度、目標管理、会議・報告制度、内部監査制度など

  • ・人事面
    採用方針・活動、人材配置、人材育成・研修制度、昇進・昇格制度、福利厚生、就労環境
  • ・財務面
    利益計画の立案・統制、資金調達・運用、会計規程、決算制度、原価計算、業績評価制度
  • ・情報面
    情報システムの整備状況、情報活用状況、業務効率化状況

人事・人材:従業員
年齢・男女構成、職種別構成、正社員比率、新規採用動向、中途退職者動向、給与・退職金など

  • ・人事:人材確保、育成・能力開発、活性化、人件費水準、労働条件

 

参考:関連する当サイト

戦略策定プロセスと思考タイプ その主なフレームワーク
2010年10月13日

 

 

2015.1.13 SWOT分析は、経営や事業の戦略を立案するための有効なフレームワーク

2015.1.14 SWOT分析の例、NECのPC事業における1980年代と2000年代の比較

2015.1.16 SWOT分析のあり方、「擦り合わせ型」と「モジュール型」

 

 

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