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2013/11/21

書籍「DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)」から紐解くデジタル時代の創造的破壊の成功要素と実現ステップ

書籍「DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)」(ジェイムズ・マキヴェイ、実業之日本社、2013/8/30)で紹介されている多くの解説や提言の内、特に個人的に興味を持ったテーマについて整理しています。

なお、各テーマの詳細及び調査結果や事例などにつきましては、本書にわかりやすく記述されていますので、一読をお薦めします。

 

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DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)
破壊的イノベーションの次世代戦略
ジェイムズ・マキヴェイ(著)、プレシ 南日子(翻訳)
出版社:実業之日本社(2013/8/30)
Amazon.co.jp:DIGITAL DISRUPTION

本書の主張は、以下の通りでした。

全ての業界に「第3の産業革命」といえる大変革の波が到来している。

  • ・デジタル技術を駆使して行なうディスラプション(創造的破壊)であり、
  • ・①安価または無料のツール、②デジタル・プラットフォーム、③デジタル消費者、という3つのイノベーション・インフラを活用することにより、
  • ・資金がなくても、短期間で、創造的破壊を誰もが起こせる。

デジタル時代のディスラプター(創造的破壊者)とは、

  • ・一歩進んだデジタル消費者であるとともに、
  • ・デジタルツールを消費の手段としてだけでなく、むしろ生産手段として使う。

そうしたデジタル・ディスラプターは、ビジネスのルールを書き換えている。

デジタルで強化された現代の消費者は「欲しいものを手に入れる能力」が変化しているため、デジタル・ディラプターの思考法を持ち、デジタルのツールやプラットフォームを活用して、デジタル・ディスラプターとして行動することが必要である。

 

そこで、以下の提言に注目しました。

  • ・創造的破壊を成功させるための3要素
  • ・イノベーション・インフラの3要素
  • ・隣接領域のイノベーション
  • ・デジタル・ディスラプションを起こすステップ
  • ・次世代の破壊のルール

 

創造的破壊を成功させるための3要素

1.デジタル・ディスラプターの思考法を持つ

今日のイノベーション・インフラの3要素を活用することを前提にしている。
3要素:①安価又は無料のツール、②デジタル・プラットフォーム、③デジタル消費者

「売れる新製品をつくるために、私たちは何ができるか?」ではなく、
顧客が本当に求めているものを提供するために、私たちは何ができるか?」と問う。

  • ・「つくる」から「提供する」
    何をつくる生産力があるかではなく、たとえ生産力の範囲を超えていたとしても、顧客に何を提供する能力があるかに着目する。
  • ・「製品」から「人々」へ
    製品そのものに注目するのではなく、顧客のニーズに目を向け、その流れに沿って製品を決定する。
  • ・「売る」から「求める」へ
    自分たちがつくる製品を売ることに集中するのではなく、総合的な商品体験が顧客の要望に合っているか考え、顧客が求めているものを、求めている時に求めている場所で提供する。
2.デジタル・ディスラプターとして行動する

デジタル・ディスラプターは、隣接領域の利点をどんどん自分たちの商品領域に加えていく。

顧客の要望を吸い上げながら、最終的にビジネスを根本から変えていくような結果をもたらすよう、実験しながら改善に改善を重ねていく。

そして、デジタルで強化した商品やサービスにかかわる総合的な商品経験を提供することで、新たな可能性を実現する。

デジタル時代の創造的破壊の波が押し寄せる中では、これまでよりも早く、よりイノベーティブなアイデアを出すことが求められ、「隣接領域のイノベーション」という手法を使うことになる。

会社が売っているのは、もはや単なる商品やサービスではなく、商品やサービスはトータルな顧客体験の中心にある。

商品体験の考え方を身に着ける方法:①顧客、②利益、③戦略、④商品

  • ・誰のためにイノベーションを起こし、その結果何が得られるようにしたいのか
  • ・「利益」を「顧客」に提供する場合、どんな戦略的成果を得たいのか
3.今すぐ自分自身を創造的に破壊する

組織の全てのレベルの全ての人々が、自分の専門領域だけでなく、各部門にまたがり、責任を持ってデジタル・ディスラプターにならなければならない。
これを行うには、自社が、デジタル・ディスラプションを行う準備がどれだけできているか評価し、どの方法が自分たちに最も適しているか決定することが必要である。

多くの企業がデジタル・ディスラプションの思考法を採用し、デジタル・ディスラプターのように行動するようになれば、次の段階に進み、さらに創造的破壊が加速される。

新しい商品体験を生み出していくためには、情熱、スキル、方針、資源が必要である。

  • ・情熱:デジタル技術が自社にもたらす変化を社員が熱望している。
  • ・スキル:もたらす変化に対応するスキルを社員が持っている。
  • ・方針:もらたす変化を取り入れられる方針や習慣が自社にある。
  • ・資源:もたらす変化に適応するために適切な資源(人材、予算、時間)を自社は投入している。

他社に先を越される前に、自社の中からデジタル・ディスラプションの波を起こすことが必要である。

  • How:どうすれば自分たちを破壊できるか?
  • Who:誰のために破壊を起こすのか?
  • What:それは、どのような破壊であるべきか?

 

イノベーション・インフラの3要素

1.安価又は無料のツール

「フリー」をビジネスに活用する思考法があれば、革新の妨げになる数々の制約から解放される。

無料のツールには「全く無料」「ほぼ無料」「実質的に無料」があり、ツールを組み合わせて活用することにより、迅速に問題を解決していくことができる。

その後、顧客にさらに多くの「全く無料のツールやほぼ無料のツール」を提供し、無料のもののサイクルを加速する。

2.デジタル・プラットフォーム

デジタル・プラットフォームは、規模を無意味にし、障害をなくして、誰でも参入できるようにする。
大企業や中小企業、どこに勤めていようが誰でも創造的破壊を起こすことができるようになる。

グーグルやフェイスブックなど、開放的なプラットフォームは創造的破壊者を呼び込み、プラットフォームをさらに普及させ、力を倍増させる。

プラットフォームを活用すれば、過去に類を見ないような顧客へのアクセスが可能になる。
①顧客との間にデジタルの橋をかけ、②初期の段階から迅速に測定し、③フィードバックに基づいて迅速に対応する。

3.デジタル消費者

過去の消費者と比べて現代の消費者は、「欲しいものを手に入れる能力」が変わった。
現代の消費者は、デジタルで強化されている。

現代の消費行動は、「マズローの欲求段階説」では説明しきれない。
欲求は常にせめぎ合っているため、「脅威又は機会」という状況次第で即座に顕在化する傾向がある。

私たちがどのように欲求を感じるかは、意識的プロセスと潜在的プロセスの両方によって決まるため、将来どの欲求を最も満たしたいと思うか予想することはできない。

人間の4つの根本的欲求モデル

欲求の表れ方として「潜在意識的」と「意識的」を縦軸に、状態に備えるのに最適な欲求として「脅威」と「機会」を横軸に、マトリックスで分類
(引用:Digital Disruption by James McQuivey,2013 Forrester Research, Inc)

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  • ・第1の欲求:快適さ(オキシトシン、セロトニン)
  • ・第2の欲求:つながり
  • ・第3の欲求:多様さ(ドーパミン、アドレナリン)
  • ・第4の欲求:独自性

消費者はデジタル技術による経験を享受しているため、従来よりも包括的に基本的な欲求を満たす取り組みが必要である。
①欲求に応じた商品体験ができるようにする。
②製品が、どれだけ簡単に欲求を満たしているかを分析する。
③より簡単に、より多くの欲求を満たせるような計画を立てる。

 

隣接領域のイノベーション

一つの隣接領域から別の隣接領域へと目を向け、次にできることを模索しながら製品の精度を高め、改良していく。

顧客に着目した方法であり、単に既存の製品を眺めながら他に何ができるかを考えるよりも、より多くの製品やサービスに関するアイデアを生み出すことができる。

インターネットの時代は、人はほとんど努力をしなくても他の会社に乗り換えることができるため、常に自問し続けなければならない。

  • ・顧客は次に何を求めるだろうか?
  • ・欲求を満たす、どのような類似の可能性または隣接的可能性が存在するだろうか?
隣接領域のイノベーションを起こすための法則

1.隣接領域を探求する。

ブレーンストーミングをして、自分たちの顧客が次に求める可能性のある利益を洗い出す。

2.融合的な隣接領域を活用する。

顧客の本当の欲求を特定すると多くの融合的隣接領域に行き当たることになり、それらを活用して自分の隣接領域や利益提供につなげる。

3.イノベーションの道を貫く

自分たちのビジネスに合うのもを優先するだけではなく、自分たちのビジネスに近いものかどうかを判断する。

そして、ビジネスを行う際に必要なスキルや資源があるかを判断し、どのような営業成果が期待できるかを考える。

 

デジタル・ディスラプションを起こすステップ

各ステップにおいて、成果が出れば終わりではなく、会社として永久にこれらのステップを繰り返す。

決して最終顧客から目を離さないようにしながら、必要に応じて微調整や改善を行いつつ、ステップを加速させていく。

How:自分自身にデジタル・ディスラプションを起こす

自社の方針と習慣を改善することで、デジタル・ディスラプターの思考法を持っていることを証明する。

1.創造的破壊を経営幹部レベルの優先事項に位置付ける。

2.部門間の壁を全て特定し、これらの障壁を避けながらデジタル・ディスラプションへの到達計画を立てる。

3.小規模な改革チームをつくり、ディスラプションのチャンスを見つけさせる。

4.潜在的競争相手を全て洗い出し、彼らからも学ぶ。

Who:顧客から始める

顧客重視のスキルを身につけ、新しい商品体験を開発できるようになる。

1.自分が満たせる、または満たすべき顧客の根本的欲求を特定する。

2.顧客の立場になって、彼らが次に求める利益は何かを考える。

3.顧客にとっての隣接領域のリストをつくり、自社で実現できる可能性のあるものを特定する。

What:トータルな商品体験をつくり上げる

次に提供すべき大きな体験を、以前よりも早く低価格でつくり上げる。

1.自社の商品体験へとつながるデジタルな橋をかける。

2.全く無料、ほぼ無料、実質的に無料なデジタル・ツールを使う。

3.選り好みせず、積極的に提携する。

4.従来とは異なる指標で測定する。

5.失敗を予想し、受け入れる。

 

次世代の破壊のルール

会社がディスラプションをすると、昔ながらの業務を破壊的な方法で行うようになる。
会社がディスラプションを吸収すると、次の段階に進み、新たな破壊を始めるようになるからである。

現在適用しているルールは、デジタル・ディスラプションに合わせて修正されつつあるものの、まだ次世代のデジタル・ディスラプターにとっては物足りないものであり、気づかないうちに新しいルールを作りだしていく。

1.個人の力

デジタル・ツールやデジタル・プラットフォームを駆使すれば、個々の従業員の能力を何倍にもできる。
デジタルで自分の貢献を何倍にも増加させられる従業員ほど、会社に多くの利益を提供できる。

新しい雇用モデル(傭兵モデル)が誕生し、現在の常識は消えていく。

2.データマイニングされた生活

企業ではなく個人の業績を評価し、格付けするサービスが出現していけば、顧客は簡単な検索で自分を見つけられるようになる。

3.平等に分かち合う

使ってもなくならないものは、無償で分かち合うことができる。
無料のツールで育ってきたディスラプターは、デジタルの世界は無限であると思っている。

将来、多くの知識が手に入るようになり、より多くのものを分かち合えば全員が協力して働く機会も増え、よりイノベーティブになれば全員がより裕福にになる。

4.シングル・タスク企業

次世代のディスラプターは、企業が所有する労働力基盤と知的財産権を崩壊させることになる。

シングル・タスク企業は、関係者が集めた特定の任務だけを遂行するためにつくられる。
永続的関係を持たない傭兵従業員を活用して、特定のニーズを満たすために集結し、ニーズを満たしたら会社は解散する。

どれだけ早く新しい価値を提供し、従業員や貢献者に成果を還元し、次のものに移行できるかで成功を評価する。

5.規制は時代遅れになる

永続性よりも成果に重きを置くという発想自体、これまでのほとんどの規制に適していない。

経験を通して、共有することで価値が倍増することを学んできたディスラプターは、知的財産の保護や保守的な経営のやり方は適切でないと考える。

次世代のディスラプターは、個人の力を得るために規制に反対する必要はなく、個人の権利を行使し、規制を無視するだけでよい。

 

参考

2013.11.20 当ブログ
書籍 DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)破壊的イノベーションの次世代戦略

 

本書に関係する書籍紹介(当ブログ)

書籍 MAKERS 21世紀の産業革命が始まる/クリス・アンダーソン(著)
2012年11月30日

書籍 ワーク・シフト(WORK SHIFT) 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>/リンダ・グラットン(著)
2012年9月24日

 

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DIGITAL DISRUPTION(デジタル・ディスラプション)
ジェイムズ・マキヴェイ(著)、プレシ 南日子(翻訳)
出版社:実業之日本社(2013/8/30)
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