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2012/12/14

Ⅵ.グローバル経営における国民性(National Culture)指数とその意味

20130111_15

世界の経営学者はいま何を考えているのか 知られざるビジネスの知のフロンティア
入山 章栄(著)
出版社:英治出版(2012/11/13)
Amazon.co.jp:世界の経営学者はいま何を考えているのか

 

 

Ⅵ.グローバル経営における国民性(National Culture)指数とその意味

日本人は本当に集団主義なのか、それはビジネスにはプラスなのか

  • ・企業が新たに進出する国を決めるときは、経済指標だけでは見えてこないリスク要因を深く分析すべきで、特に国民性に関係する代表的な指標は「CAGEフレームワーク」と「ホフステッド指標」がある。
  • ・「ホフステッド指標」を使用して、国と国との間の国民性の距離を計算すると、
    ①日本との国民性の距離が一番近いのはハンガリー、続いてポーランド(0.86)、イタリア(0.97)
    ②一番離れているのはスウェーデン(8.02)やオランダ(5.93、65位)
    ③韓国(2.59、39位)、中国(2.96、47位)とも、日本と国民性が近いわけではない。
  • ・国民性の中でも「個人主義と集団主義」に注目し、アメリカ、日本、韓国、中国、台湾、香港、マレーシアの6ヶ国を調査した結果では、特に部外者を信頼する傾向が低いのは韓国と中国そして日本である。
  • ・グループ内の結束が強い「集団主義」は、それだけグループ外の人たちとの協力関係を築くのは心理的に困難になる。

 

1.「CAGE」フレームワーク

パンカジュ・ゲマワット教授(1979年)

(1)多くの企業は新しく進出する国を決めるときに、その市場の大きさや成長性だけを重視することが多く、経済指標だけでは見えてこないリスク要因を深く分析しないために失敗することも少なくない。

(2)「CAGE」フレームワーク:4つの距離を進出国の分析にリスク要因として取り込む。
①国民性(Cultural)、②行政上(Administrative)、③地理的(Geographic)、④取得格差(Economic)

 
2.国民性の概念を示した「ホフステッド指標」

ヘールト・ホフステッド教授(1980年)

(1)ホフステッド指標

  • ①Individualism=Collectivism:個人主義か集団主義かの指標
  • ②Power Distance:権力に不平等があることを受け入れているかの指標
  • ③Uncertainty Avoidance:不確実性を避けがちな傾向があるかの指標
  • ④Masculinity:競争や自己主張を重んじるかの指標

(2)日本の個人主義指数は46で、69ヶ国中32番目に強い。
1位のアメリカの他、欧米各国が上位にあるが、アジア各国(中国55位、韓国58位)に比べると日本の方が個人主義が強い。

3.国と国との国民性の距離を分析

ブルース・コグート教授とハービル・シン教授(1988年)

(1)「ホフステッド指標」を使用して、国と国との間の国民性の距離を計算。

(2)進出先の国民性が自国から離れているほど、ビジネスのリスクとなる。

(3)著者(入山章栄 氏)の計算によると、日本との国民性の距離は、

  • ①一番近いのは、ハンガリー、続いてポーランド(0.86)、イタリア(0.97)
  • ②一番離れているのは、スウェーデン(8.02)やオランダ(5.93、65位)
  • ③韓国(2.59、39位)、中国(2.96、47位)とも、日本と国民性が近いわけではない。
4.複数企業で大規模な調査をした「GLOBE指標」

ロバート・ハウス教授(2004年)

(1)GLOBE(Global Leadership and Organizational Behavior Effectiveness)指標
18次元で提示:国民性を9次元に分け、さららに実証的価値観と規範的価値観とに分けた。

(2)ヘールト・ホフステッド教授の反論(2006年)

  • ①GLOBEのアンケート方法が適切でないため、実証的価値観と規範的価値観が混同されている。
  • ②国民性を18次元に分けるのは多すぎ、実証に使いづらい。
5.国民性の中でも「個人主義と集団主義」に注目した研究

(1)ビジネスに影響する関係を研究
レナード・ハフ教授とレーン・ケリー教授(2003年)

アメリカ、日本、韓国、中国、台湾、香港、マレーシアの6ヶ国の銀行管理職を調査した結果、

  • ①自分の所属するグループの外部の人たちを一番信用しやすいのは、個人主義のアメリカであり、
  • ②特に部外者を信頼する傾向が低いのは韓国と中国そして日本である。

(2)グループ内の結束と協力関係
山岸俊男名誉教授(1988年、1998年)

  • ①協力する相手が、「自分の所属する集団と同じメンバーか、外のメンバーか」に分けて考えることが重要とし、集団主義はグループ内の利益を重視するし、グループ内の結束も高くなる。
  • ②逆に言えば、グループ内の結束が強ければ、それだけグループ外の人たちとの協力関係を築くのは心理的に困難になる。

 

参考

2012.12.10 書籍 世界の経営学者はいま何を考えているのか(当ブログ)

 

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世界の経営学者はいま何を考えているのか 知られざるビジネスの知のフロンティア
入山 章栄(著)
出版社:英治出版(2012/11/13)
Amazon.co.jp:世界の経営学者はいま何を考えているのか

 

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