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2012/08/29

書籍 「革命家」の仕事術/ガイ・カワサキ(著)

「革命家」の仕事術[RULES FOR REVOLUTIONARIES]

ガイ・カワサキ(著)、依田 卓巳(翻訳)
出版社:海と月社 (2012/7/26)
Amazon.co.jp:「革命家」の仕事術

 

20120831_2

革命的アイディア、革命的商品の生み出し方、広め方。

いかに考え、行動し、抵抗するのかを徹底指南
アップルの伝説的エバンジェリストが、あなたの心に火をつける

神のように創造し、王のように命令し、奴隷のように働け!

人がなんと言おうと、あなた自身がやってみなければ、結果はわからない。

 

本書は、アップルのチーフ・エバンジェリストとして活躍後、現在は企業家でありベンチャーキャピタリストであるガイ・カワサキ氏が、革命家(イノベーター)に送る「現状打開と成功の方法」を解いた一冊です。

著者自らの経験に加え、多くの事例や理論を紹介しながら、自らの説を裏付けされていますので、非常に説得力があります。

 

本書は4つのパート、10の章に分かれており、それぞれにユニークなタイトルがついています。
どのタイトルも読めば内容全容をイメージでき、トップクラスのエバンジェリストである著者だけが成せる業と感心しました。

  • ・「パートⅠ.神のように創造せよ」では、革命的な商品やサービスを生み出す方法が解説されています。
  • ・「パートⅡ.王のように命令せよ」では、革命を成功させるためには、責任を引き受け、思慮深く戦略的に決定することの重要性が解説されています。
  • ・「パートⅢ.奴隷のように働け」では、真剣な労働なくして革命の成功はありえないとし、働く上で最も重要な要素が解説されています。
    さらに「高潔の士」適性テストでは、自分の高潔度を診断することができます。
  • ・「パートⅣ.革命家に送る言葉」では、「まぬけなこと」に悩まず、自分でやって切り開くことの重要性が解説されています。
    特に、「まぬけなこと」に関する名言、絵本『にんじんのたね』が紹介されており、「なぬけなこと」が存在する原因と対処策も解説されていますので、自分が陥らないように心掛けることができます。
 

経営者、部門や現場のリーダーの方々にとっては、現状の延長線で安泰と考えている方はいないと思います。

それぞれの業務で革命を起こし、飛躍的に発展していくための指南本と言えます。

また、パートⅡ「5.エバンジェリストの生み出し方」では、『エバンジェリズムに関するFAQ①と②』があります。
著者のようなエバンジェリストを目指している方にとっても、著者のノウハウの一端を垣間見ることができます。

 

パートⅠ.神のように創造せよ

1.コギタ・ディフェレンテル:考え方を変えてみよう

  • ・ユニバーサルは「合気道マーケティング」を用いて、ディズニーの強みを、融通の利かない弱みに変えてしまった。
    合気道マーケティング:力に力で対抗するのではなく、相手の力や強みを逆に利用するマーケティング。
  • 革命的な思考プロセス
    ①取り除く:思考を曇らせ制限している偏見、手順、前提を捨てる。
    ②つつく:新しい解決策や行動方針に結びつくような方法で課題に取り組む。
    ③沈澱させる:突然、どこからともなく「形あるもの」が現れる。
  • ・革命的なアイデアの多くは、ただの幸運から生まれるのも事実。
    それを向上させる方法は、純粋さを大切にし、予想外の結果を見逃さず、潜在能力を活用する。

2.ドント・ウォーリー・ビー・クラッピー:くよくよするな、ぽんこつでいいのだ

  • ・すぐれた商品の条件(DICEE)
    ①深い、②夢中にさせる、③完全、④エレガント、⑤感情に訴える。
  • ・すぐれたチームの条件
    ①強いリーダー、②理想を抱き、忙しくしていて、学歴にこだわらないメンバー、③少人数で、切り離され、ひどい環境にいる、④カジュアルでくだけた雰囲気。
  • ・すぐれた活動の条件
    ①すでにある商品やサービスの欠点をあえて見つける、②直感に従う、③自ら設計する、④振って焼いて、⑤ホームランより塁に出る、⑥反対論者を無視する、⑦ガッツでいく。
  • ・商品を投入するタイミングは、市場に次の成長カーブをもたらす新しい価値の提案ができるとき。
    「ひと桁」分の改善ができるかどうかの見極めは、自分の商品を歴史的な例と比較してみる。

3.チャーン、ベイビー、チャーン:かき混ぜろ、ベイビー、かき混ぜるんだ

  • ・革命的な商品をいち早く使い始めた人たちの声を聞き、参考にしながら改善していく。
  • ・初めて市場に出した商品は完全でないことを認識し、要望があったら改善できるように計画しておく。
    顧客を幸せにすること」と「競争相手に先行すること」を念頭にして商品を見直し続ける。
  • ・自分の商品は自ら使うことが、改善の緊急性を体感する一番の方法である。
  • ・オープンにして、商品を改善する方法を組み込んでおく。
    そして、自分以外の人たちが商品を拡張できるように、技術的な仕様を文書にしておく。
  • ・買わない人ではなく、買ってくれる人のために商品を改善する。
  • ・間違いを「隠さない」ではなく、「隠そうとしない」こと。

 

パートⅡ.王のように命令せよ

4.いかにしてバリアを壊すか?

  • ・前進を妨げているバリア:無知、慣性、複雑、販路、価格
  • ・バリアを壊すためには、
    ①試用、②返金保証、③バリアを作りそうな人を見極め、改善に協力してもらう、④好奇心をかき立てる、⑤誰にも抵抗できない考え方の流行に乗る。
  • ・ヒット商品を生み出す方法は、「小さな顧客セグメントに『集中する』こと」と「小さな顧客セグメントを『作る』こと」である。
    これはバリアを壊すというよりも、「避ける」ことに役立つ。
  • ・バリアを壊した後は、競争相手から攻撃されないように顧客のまわりにバリアを築く。
    ①商品を最高のものにして保護する、②マインドシェアを確保する、③安価である、④顧客に合わせてカスタマイゼーションする、⑤顧客に認められる専門家になる、⑥全体像を把握してインフラを築く、⑦仲間と強力な連携関係を築く。
  • ・キャズムを超え需要が高まる「トルネード」状態になった時には、可能な限り速く、効率的に供給する。

5.エバンジェリストの生み出し方

  • ・革命の最初の90%は商品を生み出すことであり、次段階の90%は伝道(エバンジェライズ)することである。
  • エバンジェリズムとは、商品を買うだけでなく、商品、サービス、会社そのものをすばらしいと思うあまり、まわりを改宗させずにいられない人々を生むプロセスである。
  • ・エバンジェリズムの段階
    ①「事実」に「感情」を加える。
    [成功=事実/価格 → 成功=(事実+感情)/価格
    ②売り文句を用意し、短く説明して、相手の共感度を観察する。
    ③商品を使ってもらい、思ってもみなかった使用法を編み出してもらう。
    ④チャンスが見えたら、その流れに乗る。
    ⑤いい方向に進み始めたら、簡単に踏み出せるステップを用意する。

6.「デスマグネット(誰もが犯してしまう過ち)」を回避するために

  • ・戦車が「死んだ」場所をわざわざ通ったり、「通りやすい道には地雷が埋まっている」ことをデスマグネットと称したように、企業を誘惑し続ける伝統的な習慣や思考パターンがビジネスにもある。
  • ・デスマグネットを回避する思考
    ①多くの機能を要求し商品を重くするアーリーアダプターは危険である。
    ある市場で成功した商品が他の市場で成功するとは限らない。
    ②市場の現実を把握し、最適なソリューションを実現するために努力する。
    品質を落とすなどして、低価格競争に陥らない。
    ③優秀なリーダーシップのもとで、適切にコミュニケーションをとり、政治的内紛や派閥争いを避ける。
    ④「一貫性の罠」にはまらず、常に最善のものを選ぶ。
    ⑤「広く浅く」「イエスだらけ」ではなく、「ノー」と言うことによってニッチ市場に集中し、完全に満足した後で他の市場に移る。
    ⑥一見強力なブランドでも、むやみに他の市場に進出しない。
    ⑦安易なアウトソーシングは避ける。
    一時的には節約につながるが、大切な能力を失うことになる。
    ⑧ゴリラはゴリラの国で育つからこそゴリラになる。
    サルがまねてもゴリラにはなれない。

    市場シェアは「原因」ではなく「結果」
    すばらしい商品とすばらしい顧客サービスを心がける。
    ⑩「収穫逓増の法則」商品は売れれば売れるほど売れやすくなる。
    最高の商品が勝つとは限らない。

 

パートⅢ.奴隷のように働け

7.鳥のように食べ、ゾウのように排泄せよ

  • ・(鳥の食欲なみに)業界や顧客及び競争に関する情報を絶えず探り、消化し、吸収し、(ゾウのウンチ並みに)収集した情報を外に出して周囲に広げる。
  • ・食べ方の原則
    ①予期しなかったものは、常に原因を探る。
    ②重要な仕事ほど素人に任せる。
    プロは愛用のツールを駆使して、合成より分析、常識より専門知識、シンプルさより洗練を重んじて問題を引き起こす。
    ③顧客と定期的に交流できるように制度化する。
    ④質問するよりも観察する。言葉ではなく行動が正直に教えてくれる。
    ⑤時には、他の業界を見る。
    ⑥入ってくる情報を片っ端から読んで分析する。
    そうすれば、情報に対する感度が鋭くなってくる。
  • ・排泄の原則
    ①共有しないよりは共有しすぎるほうがいい。
    ②シンプルで正確なものにして効率よく広げ、たびたび繰り返す。
    ③情報拡散を民主化と制度化する。

8.デジタルで考え、アナログで行動する

  • ・(デジタルで考える)テクノロジーを使って本物のデータを把握し、顧客とのやりとりを追跡し、よりよいサービスを提供するための情報を探り出し、(アナログで行動する)心をこめて接する。
  • ・直接会うことは強力な武器となる。直接会えば顧客との関係も深まり、商品やサービスを改善するヒントをくれ、多少の価格差では他に移らなくなる。
  • 正しい人々と付き合い、日常的にコミュニケーションをとる。また、意味のあるバーチャル・コミュニティを作る。
  • ・「顧客シェア」一人の顧客から得られる一生涯分の売上シェアを最大にする。そのためには、顧客と「協働」する。
  • ・「高潔の士」となる。(倫理的で、公正で、品格があるために、讃えられ、尊敬され、信頼される人)

9.自分がやらないことは人にも頼まない

  • ・権限を与えられた従業員は顧客に集中できる。余計なマネジメントが介入すると、間違いが起き始める。
  • ・顧客に誠実な情報を与え、その上でどうしたいか決めてもらう。
  • ・約束を超える成果を出す。そうすれば顧客は喜ぶどころではない。
  • ・別のタイプの人間になったつもりで考え、課題と向き合う。
  • ・常に顧客の立場からものごとを考える。

 

『10.まぬけなことに頭を悩ますな』からの引用

人がなんと言おうと、あなた自身がやってみなければ、結果はわからない。
だから、何があっても悩まないように。神のように想像し、王のように命令し、奴隷のように働くのだ。
革命を起こす力がある人は、世界をよりよい場所にするのが使命と心得なければならない。
罠に怯えているより、「まぬけなこと」をやっつけるほうがずっと楽しいし、「まぬけなこと」をやっつけるより、世界をよりよい場所にするほうがずっと楽しい。そうすれば、何よりも重要な教訓を体得することができるだろう――
人生はあなたに、革命家への道を開いてくれる。


 

本書には、

  • ・主な項に練習問題があり、それを考えることで自身の「革命家」度を養うこともできますし、その項の理解度も高まります。
  • ・さらに各章の最終ページには「革命家のための読み物」が紹介されていますので、該当する章で紹介されている事例や理論、章の内容をさらに詳しく理解したい方にとっては参考になります。

 

タイトルに限らず本文にもユニークな言葉で綴られ、文書もシンプルではありますが、一つひとつの言葉には非常に重みがあり、実践的なアドバイスに満ちた一冊です。

 

参考

当ブログでご紹介した著者の書籍

アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術

 
 
 

20120831

「革命家」の仕事術[RULES FOR REVOLUTIONARIES]

ガイ・カワサキ(著)、依田 卓巳(翻訳)
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