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2012/06/20

書籍 未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義Ⅱ/ティナ・シーリグ(著)

未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義Ⅱ
inGenius
A Crash Course on Creativity

ティナ・シーリグ(著)、三ツ松 新(解説)、高遠 裕子(翻訳)
出版社:阪急コミュニケーションズ(2012/5/31)

Amazon.co.jp:未来を発明するためにいまできること

 

20120616

天才はあなたの中にある。その天才を解き放とう!

アメリカでもっとも刺激的な「イノベーション講座」実践編

ベストセラー『20歳のときに知っておきたかったこと』の著者が語る「クリエイティビティの教科書」

 

 

私たちはみな、自分自身の未来を発明する役割を担っています。
そして、発明の核心にあるのがクリエイティビティなのです。

inGenius」には、
私たちひとりひとりにクリエイティブな能力があり、解放されるのを待っている。
という意味が込められている。

本書は、スタンフォード・テクノロジー・ベンチャー・プログラム(STVP)のエグゼプティブ・ディレクターである著者が、スタンフォード大学で起業家精神とイノベーションを教えてきた経験から、誰もが内に秘めたクリエイティビティを引き出すために活用できる手法や状況について解説した一冊です。


  • 創造性を豊かにする方法は、問題を捉え直すこと、アイデアを結びつけること、思い込みを疑うこと
  • 創造力を磨いて知識の基盤を築く
  • 創造力を左右している環境要因は、空間、制約、インセンティブ、チーム力学
  • 姿勢として、何でも試してみるという実験的精神、手ごわそうに見える問題を解決する突破力

これらについて、大学授業や外部プロジェクト活動事例を紹介しながら詳細に解説し、
イノベーション・エンジン」という新たなモデルを提示し、内なる世界と外的な環境がどのように影響し合ってクリエイティビティが生まれるかを解いています。

 

前著は自己啓発書に近いものでしたが、本書はビジネス視点の中にも自己啓発的な要素も含まれています。

ビジネスリーダーに限らず、親として、個人として、
自らが創造性を発揮する上でも、そして創造性を引き出す環境づくりに参考となる一冊です。

  • 創造性を発揮して問題を解決する機会は、いたるところにある。
  • 世の中に存在するあらゆるものが、創造的なアイデアのヒントになる。
  • クリエイティビティは尽きることのない能力であり、いつでも活用できる。
    課題に立ち向かい、チャンスをつかもうとする強い意欲、姿勢があってこそ活かされる。
 
 

「はじめに」から引用(ティナ・シーリグ)

本書には一貫したテーマがあります。
クリエイティビティとは、頭で考えるだけでなく、実際にやってみるものだ、ということです。

言葉ひとつ、モノひとつ、アイデアひとつ、
そして一瞬一瞬が、創造性を発揮する機会になることに、目を見張るでしょう。

素晴らしいアイデアを思いつくのにコストはかかりません。
そして、その成果は無限大なのです。


 

イノベーション・エンジン

  • 創造性に影響を与える内的及び外的要因を捉えたモデルで、それぞれの要因は密接に絡み合い、互いに影響を与えている。
  • 想像力、知識、環境、姿勢は、自分で直接コントロールできる。
  • 言葉やモノ、決断や行動の一つひとつが、イノベーション・エンジンを起動するきっかけになる。

 内部:知識、想像力、姿勢

  • 知識:創造力の燃料
    → 知識が増えれば、何かをしようとする時の材料が増える。
  • 想像力:知識をアイデアに変える触媒
    → アイデアを結びつけ、組み合わせ、問題を捉え直し、思い込みを疑う
  • このプロセスは、資源、環境、文化など、様々な外的要因に左右される。
  • 姿勢:イノベーション・エンジンを動かす起爆剤
    → ものの見方や考え方は変えることができる。

 外部:資源、環境、文化

  • 資源:自分が所属するコミュニティに存在する全ての資産
    → ユニークな資源に気づくか、活用できる知識を得られるかは自分次第。
  • 環境:家庭や学校、職場など、自分が過ごす場所
    → 少し環境を変えるだけで、創造性は大きく変わってくる。
  • 文化:自分が所属するコミュニティの集団的思考、価値観、行動様式
    → 心がけを変えるだけで、文化は自然に変わる。

 

クリエイティビティを高める

  • 観察力を磨いて知識を増やす。
  • ばらばらなアイデアを結びつけ、組み合わせる。
  • 問題を捉え直す。
  • 最初に思いついた答えを乗り越えることによって創造力を膨らませる。

 そのために、

  • 問題解決を促す場を作るなど、ためらわずにアイデアを出せる環境を整え、
  • イノベーションを最適化するチームを作り、
  • 実験を奨励する文化を育む。

 

創造力を豊かにするプロセス

1.問題を捉え直す(リフレーミング)

  • 努力と注意力と練習が必要。そして、身の周りを新鮮な目で見る。
  • 参照するフレームを変えられるようになることが、創造力を豊かにするカギ。
    そうすることで、これまでとは全く違った気づきが得られる。
  • リフレーミングの練習法
    実際に、あるいは頭の中で視点を変えてみる。他の人の立場に立ってみる。「なぜ」で始まる質問をしてみる。

 

2.ばらばらなアイデアを結びつけ、組み合わせる。

  • クリエイティビティのカギ(スティーブ・ジョブス)
    『人類がなし遂げてきた最高のものにふれ、それを自分の課題に取り組むこと』
  • 刺激的な比喩を使ったり、類似点を挙げたるする。普段とは違う世界に触れる。既存のアイデアに積み上げていく。ありえない場所にヒントを探す。

 

3.思い込みを疑う
 ブレインストーミング:創造力を高め、人に伝えるためのとっておきの方法

  • 創造力を刺激し、思い込みを疑い、本当の面白いアイデア、ユニークなアイデアにたどり着くことができる。
  • 適当な空間を用意し、適切なメンバーを集め、適切にテーマを設定し、ルールを徹底する。
  • 最後に、気に入った案に投票できるチャンスを参加者全員に与え、最高の案を書き留め、可能なものはすべて保管する。

 

観察力を磨いて知識の基盤を築く

  • 的を絞った観察を行うことで、世の中の事象について貴重な知識が得られる。
  • 世の中を新鮮な目で見る。身の回りに「水」を見つける。観察した結果を自分のものにする。
  • 疑う。共通パターンや矛盾を探す。「細かな点の追求と全体像を考える」ことを交互に繰り返す。

 

その他、

  • 創造性を左右する環境要因として、空間、制約、インセンティブ、チーム力学
  • 姿勢として、実験の精神、問題解決の突破力

 について、多くの先行理論や事例を紹介しながら解説されています。

 

  • 空間がチームの力学や創造性を左右する。
    人生を演じる舞台。クリエイティブな人間でありたければ、創造力を開放するような物理的な空間をつくる。
  • 制約があるからこそ、徹底的に考え抜き、物事に優先順位をつけ、革新的にならざるを得ない。
    制約は、きつくしたり柔くしたり、調整することができる。また、調整すべきものである。
  • 個人には目的に合ったインセンティブを備えた環境、チームには創造性を評価するフィードバックをすべき。
    生活のあらゆる面がゲームだと理解し、短期、長期の両面で目標達成のための創造的な解決策に報いるルールを制定する。
  • チームワークがイノベーションの成否を握る。
    いいチームには、適度な遊び心やポジティブなフィードバックがある。
    そのためには、あらゆる資源を活用できる環境を整える。
  • 「前例のないことに挑戦する」という創造的プロセスには失敗はつきもの。
    試してみようという個人の姿勢と、しやすい環境をつくる企業の文化が必要。
    実験しながら大胆に軌道修正する方法として、「リーン・スタートアップ
  • 大きな問題を解決したいのであれば、まず「自分が解決策を見つけるのだ」という気概を持つことである。
    どんな言葉を使うかで姿勢が決まり、どんな姿勢でいるかで使う言葉が決まる。
    夢とやる気さえあれば、可能性は開ける。

 

なお、本書には著者が授業などで活用した演習や課題も紹介されています。
状況に応じて使用すれば効果的と思いますので、主なものを以下にあげておきます。

  • ひと言小論文
  • 名刺をデザインし直す
  • 無関係なものを組み合わせて価値あるものを作る
  • ブレインストーミング
  • 観察実験
  • グリーティングカード一式を30分で作る
  • ゲーム「スクランブル」
  • 6色の考える帽子
  • マシュマロチャレンジ
  • 水平思考のなぞなぞ
  • 5ドルのプロジェクト
 
 
 

「解説」から引用(三ツ松 新)

まず大きな運命的な環境変化が訪れ、その変化に適応して克服したものだけが生き残り、その体験を共有したものだけが繁栄するものです。

(略)

人生は何かとバックミラーの視界が良好で、未来は良く見えません。
しかし、未来を発見することができるのは、あなたも一人の英雄だからなのです。


 

本書には、
身の回りにチャンスを見つける力、ばらばらなアイデアを結びつけ、組み合わせる力、思い込みを疑う力、問題を捉え直す力
などを高める方法が紹介されています。

モチベーションや考え方が、創造性にいかに影響しているかを再確認し、
自分自身の創造性、共に学び、共に働く仲間たちの創造性を高めることへのヒントとなる一冊でした。

 
 

参考

Stanford Technology Ventures Program(STVP)

Hasso-Plattner Institute of Design(d.school)

The Art of Teaching Entrepreneurship and Innovation (51:26)
 (その他、講演録あり)

 

・起業家育成コースの集中講義 2011年12月7日
 NHK DVD スタンフォード白熱教室DVD BOX [DVD]

ティナ・シーリグ氏 起業家精神育成講座 2011年11月11日
 ~成功するか、失敗するかわからない道に、あえて挑もう~

 

当グログでご紹介した書籍

20歳のときに知っておきたかったこと

リーン・スタートアップ(Lean Startup)

 
 

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アンセル・シンプソン 
ザ・ソクラチック・レビュー
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