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2010/12/06

書籍 イノベーションの知恵

20101204

イノベーションの知恵

野中 郁次郎 (著)、勝見 明 (著)

出版社:日経BP社

詳しくはこちら

 
 

 「世のため人のため」の共通善(コモングッド)経営に還れ!

アメリカ流の分析的な経営学の限界を乗り越える「知識創造理論」の新たな展開を9つの事例で仮説

本著は、一橋大学名誉教授で日本発の経営理論の「知識創造理論」で知られる野中郁次郎氏と、経済・経営分野を中心に執筆活動を展開されているジャーナリストの勝見明氏が、イノベーションを成し遂げた変革のリーダーに共通する「知の作法」を解明しています。

また、お二人のコンビによる前著の「イノベーションの本質」(日経BP社)、「イノベーションの作法」(日経ビジネス人文庫)はいずれもロングセラーとなり、今回は「知のフィールドワーク」の第3弾です。

「知の作法」=「創造的行動様式」

取り上げられている9つの事例は、多くの人が知っているかもしれませんが、各事例における背景や苦悩を「物語編」で、その本質を「解釈編」で解説する構成となっており、それぞれの成功事例に見られる「知の作法」がメンバー間で共有されることにより組織の「型」になっていく様子が理解できます。

環境が激しく変化し、先行き不透明な現在において、
・絶えず行動しながら、状況に応じたタイムリーな判断と実践的な知恵「実践知」
・変革リーダーに共通する「知の作法」
求められるリーダーのあり方を学べる一冊です。

 

変革リーダーに特徴的に見られる行動様式と9つの「奇跡的な変革」の事例

行動様式:「理論的三段論法」ではなく「実践的三段論法」を身につける
 =目的を明確にし、手段を考え、行動を起こし実践すること

 ・事例:動物園の奇跡 旭山市立旭山動物園
     「目的×手段×行動」が実現した「日本一」
     軌跡の復活は予算ゼロから始まった

 ・事例:学校の奇跡 京都市立堀川高等学校
     「大学受験」と「生きる力」の二兎を追った学校の変革
     実践により知力を磨く「自ら学ぶ教育」を実践

 

行動様式:「モノ的発想」から「コト的発想」へ転換する
 =誰もが考えないような目的や目標を描く

 ・事例:エキナカの奇跡 JR東日本 エキュート
     「通過する駅」から「集う駅」へ
     大ヒットプロジェクトに見る鬼手仏心リーダーの巻き込み力

 ・事例:トヨタの奇跡 トヨタ自動車 iQ
     「カイゼン」を超えて「飛ぶ発想」へ
     全長が「軽」より短い四人乗り車はいかに生まれたか

 

行動様式:「考えて動く」ではなく「動きながら考え抜く」
 =現実を傍観者的に見るのではなく、自らの文脈の中に取り込む

 ・事例:霞ヶ浦の奇跡 アサザプロジェクト
     「死の湖」から「トキが舞う里」へ
     17万人を動かした自然再生プロジェクト

 ・事例:障害者福祉の奇跡 社会福祉法人むそう
     知的障害者の能力を「地域再生」に活かす
     すべての概念を逆転した福祉ビジネスの構築

 

行動様式:「名詞」ベースではなく「動詞」ベースで発想する
 =組織やチーム内では、安定化を求めるのではなく、「わたし」と「われわれ」を
  両立させ、創造性と効率性を発揮する

 ・事例:オフィス空間の奇跡 再春館製薬所
     「監視」から「共創」へ
     社員1000人が一堂に会す「一つ屋根の下の大部屋経営」

 

行動様式:結びつかないもの同士の「見えない文脈」を見抜く眼力
 =ジグソーパズルのように結びつけ、新しいコトづくりを行える力をつける

 ・事例:過疎の町の奇跡 いろどり
     葉っぱがお金に化けた!
     「つまものビジネス」でドン底から再生

 

行動様式:偶然を必然化する
 =リーダーの言語表現力と強い目的意識が重要である
  ひとたび必然化すれば、人が集まり、自己組織的に新しい知が生み出される

 ・事例:都市の奇跡 銀座ミツバチプロジェクト
     東京銀座は「ミツバチの天国」だった!
     ビルの屋上で養蜂を行い、銀座を「里山化」する

 


時間の二面性

常に判断がともなうマネジメントは、ここぞと思うタイミングを感知する適時時間の世界で、優れた知識創造企業では「二つの時間」が両立し統合されている。

 □時計時間(クロックタイム)
  ・常に同じ速度で流れ、時計で計ることのできる
  ・量的、客観的
  ・常に同じ長さで流れる
  ・規則的、不可逆的
  ・主に効率性の追求

 □適時時間(タイムリータイム)
  ・人間が直感的あるいは心理的に感じとる
  ・質的で主観的
  ・不規則的、可逆的、即効的
  ・主に創造性の発露

 

経営は「サイエンス」か、それとも「アート」かという議論がありますが、本著ではイノベーションを生み出すのは「アート」の発想も重要としています。

当ブログの「戦略策定プロセスと思考タイプ」においても、欧米型の「サイエンス」的思考に加え、日本が本来得意とする「創発型」思考の重要性を述べました。

経営は知識創造であり、新たな知の創発が根底にあると考えています。
人間は多様な関係性のなかで、その都度最善の判断を行い、行動を起こし、新しい知を生み出しているはずです。

知恵は経験に基づく知であり、実践を通してイノベーションの知恵を身につけ、組織に埋め込んでいくことが必要です。

リーダーは、この実践知を日々の実践を通して伝承し、組織やチームの中に醸成していくことが重要な役割と思います。

 

参考:2010.10.13 戦略策定プロセスと思考タイプ その主なフレームワーク

 
 

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