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2010/09/05

書籍 ビジネスで一番、大切なこと

20100902

ビジネスで一番、大切なこと
-消費者のこころを学ぶ授業-

ヤンミ・ムン(著)、北川 知子(訳)
出版社:ダイヤモンド社

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差別化の罠:プロフェッショナルとして知恵を絞れば絞るほど、
        消費者のこころを見失ってしまう。

本著は、ハーバード・ビジネススクールで絶大な人気を誇り、最も注目されている女性経営学者の著者が、専門のマーケティング講義の様子を明らかにしています。

ビジネスの成功の要は競争力であり、競争力とは競合他社といかに差別化するかであるが、その差が細かくなりすぎて多くの消費者がいぶかしく思う段階に達すると、差別化は無意味になる。

過剰とも思われる豊富に機能をつけた商品、カテゴリー内に多くの種類の商品があふれている現状に対し、新たな差別化戦略で成功している企業の事例を紹介しながら、そのマーケティング手法を解き明かしています。

本著で紹介されている「リバース・ブランド」「ブレークアウェー・ブランド」「ホスタイル・ブランド」などの手法も、考え方としては理解できますが、あくまでも特殊な企業の成功手法を解説していると感じる面もあります。

差別化に必要なイノベーションは、技術的なイノベーションだけではなく、発想のイノベーションも重要であり、その解決策や新たな発想を生み出すプロセスを学ぶ上で参考になります。

 

発想のイノベーションが重要であるが、自社が思いつくことは他社も思いつくことができ、また競い合う群れが生まれる。
何らかの「価値」を付加したり、ラインナップを「増殖」させたりする行動は、単単に模倣できる。

しかし、競い合う群れから抜け出すためにイノベーションを実現する方法はある。

リバース・ブランド
・例 グーグル、IKEA、航空会社のジェットブルー
・膨らんだ価値提案からいらないものをそぎ落とし、違いを作り出す。
 但し、除去は注意深く行う。
・顧客が期待している拡張への流れを意図的に断ち切る。
 他社が競争は欠かせないとみなしている便益を控える。

ブレークアウェー・ブランド
・例 ソニーAIBO、スウォッチ時計、シルク・ドゥ・ソレイユ、キンバリークラーク
・ある製品に対して取りがちな態度を捨て、新しい条件でかかわりを持たせる。
・カテゴリーの認識を変えることで弱点をなかったことにする。

ホスタイル・ブランド
・例 ミニクーパー、ビルケンシュトック、レッドブル
・極端なものをネガティブとせず、偏ることを恐れない姿勢をはっきりと示す。
・挑戦的なやり方でファンをつかむ。

 

プロは違いに注目するが、素人は類似点に目が行く。

カテゴリー内の製品の種類が多くなると、購買頻度の高い消費者でさえ比べる努力をむなしく感じ始める。

激しく競えば競うほど、互いの違いは小さくなり、精通したプロでなければ見分けがつかなくなる。類似品ばかりが目に付く。

ビジネスにおいては、差別化はコモディティ化に抗う術だと考えられており、競争が激しくなればなるほど、差別化への取り組みが強化されるはず。
しかし、企業が熱心に競い合うほど、その違いは消費者の目から見て小さくなる。

マーケターの役割
 1.製品:製品を理想的な角度から示し、ぜひとも買いたいと思わせる。
 2.アクセス:人々が無理なく入手できると感じられるように商品を流通させ、
        適切な価格をつける。
 3.ブランドコミュニケーション:ブランドの価値を消費者に伝える。

消費や行動、文化の一貫性が、周囲で崩壊してきている。
・あるブランドは、敵対的であると同時に吸引力を持つ。
・人は、満足しながらも変化を求める。
・関係性は、いらだちを感じさせると同時に満ち足りたものものになり、
 共生的であると同時に自由でもある。

 

通常の企業は、
①他社と差別化するために、新たな付加価値を提案する。
②それに消費者が満足してくれば、他者も模倣(追従)してくる。
③すると、付加された機能は、そのカテゴリーの標準機能となり、
 その機能があって当然と消費者も感じる。

そして、再び企業は新たな付加価値を模索し、提案する。
過去多くのカテゴリーで、この①から③を繰り返しは、コモディティ化と高コスト化、セグメントの細分化を繰り返しています。

本著に出てくる「リバース・ブランド」「ブレークアウェー・ブランド」「ホスタイル・ブランド」なども、現段階では企業の成功を特徴付けていますが、やがて模倣者(追従者)が出てきて、その手法も一般化する時がくると思います。

しかしながら、消費者の心をつかんで、カテゴリー内で確固たるポジションを築いているブランドがあるのも事実です。

日常生活では、ほとんどのモノが揃っている現在で、「未来のブランドを創る」ことは相当の苦労がいると思いますが、それを考え続け、取組み続けていくことの必要性を本著から改めて学びました。

 

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