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2010/08/30

書籍 無策!-あと一年で国債は紙クズになる-

20100828

無策!
-あと一年で国債は紙クズになる-

長谷川 慶太郎(著)、森木 亮(著)
出版社:李白社

詳しくはこちら

 

 

 

国債暴落の危険信号は、金利1.4%

税制と年金は、超党派でやれ!

長谷川氏:破産宣告しても、事態を収拾できる政治家が日本にいますか?
森木氏:破産宣言は、国民の権利。
     即、行使して政治家や役人を大削減すればよい。

いつも鋭い切り口の国際エコノミストの長谷川慶太郎氏と、日本の財政を分析している財政史家の森木亮氏が、日本経済や国債暴落、ドルと米国及びユーロ圏の今後、そして日本の立ち直り策について、両氏が激論を交わしている書籍です。

また対論の間には、「編集部注」として用語解説がされており、両氏の考えを理解するのに大変役に立ちます。

日本経済の現状と今後、ドルと米国、さらにユーロ圏や新興国の動向について、両氏の考えは必ずしも一致していませんが、日本の国家財政のポイントを理解する上で、大変参考になります。

 

日本の2010年度予算は92兆3,000億円、税収は37兆4,000億円、国債発行額は44兆3,000億円。

日本の財政は、すでにデッドラインを超えていると公言しているようなもの。

問題は新規国債発行額ではない。
前に発行した国債(旧国債)を償却または償却したことにして新たに発行する国債である「借換債」の発行額が問題で、2010年度は既に年間103兆円にもなる。
しかも、103兆円は特例会計に計上されているため、国民の目には見えづらい。

このまま税収も増えない状態で、国債の発行額だけが増えていくと、
・森木氏:財政のバランスシート上、2013年には国家は破産する。
・長谷川氏:もし2011年度の予算が通常通り可決されなければ、来年中にも
       国家は危ない。

今のところ、国債は一番安全確実な資産であり、6月の新発行の10年物国債の利回りが1.09%の低い水準で、7月に入っても長期金利の低下傾向は変わらない。
・長谷川氏:日本の600兆円を超える国債発行残高のほとんどが金融機関が保有
       しているが、もう限界に近づきつつある。
       2011年度の国債発行を今年度並みに抑えられなければ、値下がり
       始め、金融機関(特に地方銀行)が大赤字になる。
       金利が1.4%を超えると雪崩現象が起こる。
・森木氏:想定金利は2%と考えており、あと3年は大丈夫である。
       金利が、2.5%~3.0%になったら危ない。

ドルと米国の時代は
・森木氏:米国は破産状態で、ドルも単一の基軸通貨の地位から脱落する。
・長谷川氏:21世紀を牽引するのはやはり米国であり、ドルの基軸通貨としての
       地位は揺らぐどころか、ますます強くなっていく。

税収アップの方法の一つとしての消費税10%は、
・森木氏:管首相の「増税による財源を賢明な支出に向ければ成長が期待できる」
      という「第三の道」は、財政史家としては興味を持った。
      7月の参院選で民主党が大敗したのは、消費税が原因かもしれない。
・長谷川氏:「第三の道」など議論している余裕はなく、2011年度予算の編成
      すらできなくなる。

       消費税10%は他党でも議論されていたことであり、今年の参院選で
       民主党が大敗した原因ではない。それよりも、菅首相が参院選前発言
       したということは、 消費税10%を断行する意思のあらわれだ。
       現行5%を10%にすれば、消費税の税収は10兆円~12.5兆円
       増え、短期的な財政救済策としては有効である。
       しかし、現在の税収方式、逆進性、税収における地域主権の問題
       など、消費税を上げる前に政府がしなければならないことがある。

日本は破産宣言をすべきなのか?
・森木氏:破産宣言は国民の権利である。
・長谷川氏:宣言は簡単だか、その後の方針が必要である。
・両氏:破産宣言後の苦しい生活を国民は覚悟しなければならないが、その時
      には、決断力と指導力を持った政治家が必要不可欠である。
      現在のバラマキをやめ、デフレ下の政策として「小さな政府」づくりを
      断行するためにも、議員数、公務員数の大幅削減が必要である。

上記の他、ユーロ圏の動向とそれと対比しての日本、ドルと米国、そして中国の今後について、両氏の激論が交わされています。

全体を通して、日本財政のポイントがよく理解できました。
2011年度予算がどういう形で成立していくのかを興味深く見ていくとともに、本著に対する両氏の見解という続編も期待したいところです。

 

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