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2010/08/03

書籍 ビジョナリー・カンパニー③

20100803

ビジョナリー・カンパニー③
- 衰退の五段階 -

ジェームズ・C・コリンズ(著)、山岡 洋一(訳)
出版社:日経BP社

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衰退は避けられる。衰退の芽は早期に発見できる。

かつての偉大な企業は、なぜ衰退したのか。転落を阻むポイントは何か。

本書は、『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の法則』『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』で世界的なベストセラーの著者が、克明な調査と分析で明らかになった「偉大な企業」が衰退していく真実を詳細に解説しています。

本書で取り上げられた企業は、前書2冊で言及された60社の中から、「衰退の五段階」を歩んだヒューレット・パッカード(HP)、メルク、モトローラ、ラバーメイド、スコット・ペーパー、ゼニスなどの11社です。
この11社を現時点で「衰退していない同業の企業」と比較して、どこが岐路となったのかを分析しています。

また、5段階の各解説の章の終わりには、その段階に突入した時に現れる現象が整理されており、さらに巻末の付録には、IBMとニューコアとノードストロームの3社が強力なリーダーシップのもとで、いかにして再建を果たしたかが紹介されています。

各段階の現象が現れた際の対応策については、具体的に解説はされていませんが、自分のチームがどの段階にあるのかを知り、対応策を自分自身で考えていく上で大変参考になります。

 

衰退は、原則の誤りではなく、企業が原則を正しく実行できなかったことによる弊害である。

衰退企業は、「針鼠の概念」や「弾み車」という原則を無視して失敗する。
自社の競争優位性のあるところ以外で戦ったり、重い「弾み車」を押し続ける努力を怠ったりしてしまう。

衰退に至る主な原因は、イノベーションの不足ではなく、「規律なき拡大路線」であり、「一発逆転策の追求」や「外部からの経営者の招聘」は失敗に終わることが多い。

衰退の五段階と現象

第1段階 成功から生まれる傲慢

     →運が良かった可能性を認識せず、自分達の長所と能力を過大評価
      するようになる。
       ・成功は当然だとする傲慢
       ・主要な弾み車の無視
       ・何からなぜへの移行
       ・学習意欲の低下
       ・運の役割の無視

第2段階 規律なき拡大路線

     →規律ある創造性から逸脱し、偉大な業績をあげられない分野に
      規律なき形で進出するようになる。
       ・持続不可能な成長と、大きさと偉大さの混同
       ・関連しない分野への規律なき飛躍
       ・主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率低下
       ・容易に利益を得られることによるコスト面の規律の緩み
       ・官僚制による規律の破壊
       ・問題のある権力継承
       ・組織の利害より個人の利害を優先

第3段階 リスクと問題の否認 

     →大きすぎるリスクをとって企業を危険にさらすか、
      リスクをとったときの結果を考えずに行動するようになる。
       ・良いデータを強調し、悪いデータを小さく見せる傾向
       ・事実の裏づけがない大きな賭と大胆な目標
       ・曖昧なデータに基づいて、とてつもないリスクをおかす動き
       ・経営陣の健全な行動様式の衰退
       ・外部要因への責任の押し付け
       ・組織再編への固執
       ・傲慢で超然とした姿勢

第4段階 一発逆転策の追求

     →リスクをとった行動の失敗が積み重なって表面化し、企業の衰退が
      あきらかになり、一発逆転にすがろうとする。
       ・特効薬の追求
       ・救世主のような指導者への期待
       ・パニックと拙速
       ・抜本的な変化と革命の宣伝
       ・業績より売り込みの優先
       ・当初の業績回復とその後の失望
       ・混乱と皮肉な見方
       ・リストラの繰り返しと財務力の低下

第5段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

       ・後退の繰り返し
       ・巨額を投じた再建策がいづれも失敗
       ・財務力の衰えと士気の低下

 

適切なポストに適切な人材の条件
 1.適切な人材は、会社の基本的価値観にあっている。
 2.適切な人材は、厳しく管理する必要がない。
 3.適切な人材は、「肩書き」を持っているのではなく、
  「責任」を負っていることを理解している。
 4.適切な人材は、達成すると約束したことは必ず達成する。
 5.適切な人材は、会社とその仕事に情熱をもっている。
 6.適切な人材は、「窓と鏡」の成熟した思考様式を持っている。

 

失敗とは、外的な状態ではなく、心の状態である。
成功とは、倒れても倒れても起き上がる動きを果てしなく続けることである。

 

参考
 ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 [日経BP社 1995年9月]

 ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 [日経BP社 2001年12月]

 

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